バックパッカーズ的ブログ
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Sleeping Beauty あとがき2
デザインが出来、その使用や構造を考え、
大道具スタッフに依頼するも、
これを具体化するには細かい箇所の作りやバランス、機能など
描いた本人による説明を聞きながら進行しないと難しい…と。
まあ考えてみたら当たり前だが、本来こういう物を製作する場合、
デザイナーが設計図、完成予想図、模型を提出し、職人達の手で本物が出来上がる。
僕が説明しながらと言っても工場は大阪。
1〜2日で出来上がる様な代物ではないし、時間すら無い。
で、最近得意になった紙粘土で模型を作る事にした。
縮小された台紙をあてにコツコツ作り始めた。
そしてこれが僕にはものすごく楽しい!
紙粘土の良さは直感的に作りながらデザインが出来る所。
難点は乾くと縮んだり歪んだりする事があるので正確な縮小にはならない。
出来上がりは最高。
表は城イメージ、裏はカラボス(悪の象徴)のアジト。
セットを白にした理由はこの模型で解る通り、
光りのあて方や色でシーンの状況に変化を表現出来る。
そのため凹凸がハッキリしたデザインになった。
完成の喜びを味わったのも束の間、締め切りギリギリだった為、
即、つむら製作工場へ…
しかし、その1ヶ月後途中経過を見に大阪へ行くとそこには…
自分が描き、作った紙粘土が超巨大化され出迎えてくれた!!!
迫力と忠実さ、精密さに感動が止まらなかった。
つづく
(まだ続くんか〜い!?)
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Sleeping Beauty あとがき。
実に苦しくも楽しい6ヶ月だった。
実際企画段階打ち合わせは更にさかのぼり、
稽古が始まるまではなかなかビジョンが見えなかった。
眠りは東京バレエ団の時に3種類踊って来て、様々。
それ故にどうも全体像がハッキリしなくなっていた。
演出面やアレンジと言った部分は決まって来ても、
画が見えていなかった。
恐らくスタッフを含め皆そこがネックでもどかしい時期が続いた。
そんなある日僕が一枚の絵を鉛筆で描き、
「これか!」となった。
となると、具体的なデザインは僕にしか描けない。
そこから装置デザインを担当する経緯になる。
上の写真は下書きより進んだ状態だが、
鉛筆デッサンをパソコンで描き直し、
模型に当て込んでイメージし可能なサイズを検討した。
始めは薔薇の花を巨大ワゴンから咲かせるデザインだったが、
動かせる重量や薔薇の象徴性を考慮し別に作る事にしたのだが、
これが功を奏した。
今回のテーマの一つとして、幕の絵による紙芝居的な
場面転換を無くすと言うのがあり、
演劇的手法でもある、一つの装置を最大限利用し、
物語りの中心的要素の薔薇の花が色々な顔色を見せ、
必ず画角の中心に位置される構造になった。
オーロラが糸紡ぎの針で倒れるのではなく、
黒い薔薇(濃紺)のトゲに倒れると言う事にリンクする。
美しい薔薇にはトゲがあり、
素晴らしき人生には試練がある。
故にその人生(薔薇)には魅力がある。
そもそも原作:いばら姫 より脚色された部分の多い本作だからこそ、
自由に解釈をさせてもらった。
つづく
2015、2/14・15
いよいよIBC SLEEPING BEAUTY開幕。
想像力、脳力、判断力、行動力、労力、
あらゆる力が集結し、
新しいものを一つ生み出す。
この経験は関わる人々の眠りを目覚めさせ、
覚醒させる事でしょう。
バレエマスターの僕は、企画、演出、振付、に
携わりつつも今回は装置のデザインを手掛けさせて頂きました。
音楽、舞踊、造形美術、ドラマ、人間、光、
の総合芸術たるこの舞台をお楽しみに。
Ryuta