バックパッカーズ的ブログ
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九州自転車の旅:あとがき
全国的にも今年の梅雨は異常だ。
いまだに九州では大雨、土砂災害が続いてる。
東京でも季節外れのヒョウが降り、
ゲリラ豪雨が頻発している。
雨の多かった今回の旅では、
全く自転車旅行者やバイクツーリストなども
見かける事も無かった。
あんな雨じゃ無理も無いし、
そもそも地元の人も外に出ていない。
天候だけでなく、そう言う部分でも
雨の日、梅雨の時期は旅に向いていない気がした。
走りもストイックになりがちだし、
雨を避ける為のキャップにフードは視界を狭め、
景色も見逃しかねない。
ただストイックな走りを覚えた事と、
雨の装備で更に必要な物も解ったし、
それでも楽しむ為の考え方の柔軟性も身に付けた。
時として旅は、“今”ではなく、“後”の為に進む事もある様だ。
後になってみれば笑える事でもあり
得難い経験でもある。
それでも閉店してしまっていた店の店員が
おはぎを差し入れしてくれたり、
宿の人が朝、弁当を用意してくれたりと、
人の優しさに触れる機会はあったのだが、
そのほかに道中で気になった事があった。
それは挨拶だ。
鹿児島から宮崎辺りで気付いたのだが、
すれ違う小学生や中高生が必ず、
「こんにちは!」と挨拶をしてくれるのだ!
土砂降りの中、全身黒ずくめでフードを被り、
顔を引きつらせ、歯を食いしばって走っている、
怪しさ満点の見ず知らずのこの俺にだ…
始めは、「え?俺にした?今の…」と半信半疑だったが、
目を合わせてしてくれる元気の良い「こんにちは!」は、
次第に憂鬱な雨の走行を楽しくしてくれるものになった。
「自転車が来てるぞ!道を空けろ!」と背後の友達に言い、
そのあとすぐに「こんにちはー!」
「ありがとう!みんな気をつけてなー!」と続ける。
「こんにちはー!うわぁカッコいい自転車!?」と言ってくると、
「ありがとう!自転車で旅してるんだぜ!」と続ける。
すれ違い様の数十秒だが、とても印象深く、楽しみだった。
これはもしかすると雨による遅い速度だからこそ起き得る
コミュニケーションなのかも?と思った。
天気が良く、車道をビュンビュン走っていたら声もかけられない訳だから。
つづく…
Ryuta
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