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バックパッカーズ的ブログ
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舞台の裏側では、スタッフサイドから、
今回の公演を「竜太祭り」と呼ばれていた。
実際に祭られてはいないのだが、
スタッフ、ダンサー達から、本当に気を使ってもらい、
応援してもらい、励ましてもらい、助けてもらい、
祭られた。

去年の11月の終わりだったか、
バッハのチェロ組曲のパドドゥの話を頂いた。
サプライズパフォーマンスの為と言う事だったが、
驚いたのは、こっちだった!?
有難い話はもちろんだが、
その作品は16~17年だったか、
世界バレエフェスティバルで
十市さんとクリスティーヌが踊っているのを観て、
エラく感動し、大笑いし、
「あの作品を踊りたい!」と思っていたのだ。
そして、バッハのチェロ組曲は大好きな曲で、
自分で初めてソロを振付したのもこの曲だった。

しかも、Mの稽古中だったので、
直接、十市さんから、そしてクリスティーヌからも
指導を受ける事が出来、
本当に幸せだったのだ。
稽古が楽しくて仕方が無かった。
願えば叶う…

しかし、1月に入ってからは、
まず、ダンス・イン・ザ・ミラー、そしてボレロ。
皆が帰った後にバッハのリハーサル…
スタジオに入ってから終わるまで練習し続け、
終わっても、スタジオから動けない…
ようやく立ち上がり、更衣室に行っても、
疲れて着替えるのに30~40分かかる…
それから、他の仕事に行く事は最初の週で、
不可能となった。
それから3週間後、僕は1回目の胃腸炎になった。
本番のは、つまり2回目なのだ。
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話は変わって、
去年から今年にかけて、珍しく冬休みが長くもらえた。
早い段階でそれは知らされていたので、
かねてから、僕は一人旅の計画を立てていた。
それは自転車で大阪(出来たら岡山県)まで行く!?
と言うもの。
もちろん無謀だ!
なにせ季節は冬…山を避け、海に近いルートで雪を避けて、
と色々計画を立て、装備を揃えていた。
独りBACKPACKERSだ!
恐ろしい旅計画だが、心は期待でイッパイだった。

しかし、バッハの話を頂き、期日が近付くにつれ、
ある事に気がついた。
僕にはダブルキャストもアンダースタディ(代役)もいない…
それは、僕のいくつかの役は、
ブレイクダンスを即興で踊り、宙返りをし、元々ある役でもなく、
代わりの人を付ける事が難しいのだ。
つまり、僕が万が一怪我をして舞台に立てなかったら、
ジルさんの厚意も、十市さんの指導も、ケイスケの指導も、
無駄になってしまい、
そして、舞台自体に大きな穴を開けてしまう。

周りの人からも言われたが、
自分でも数日考え、その無謀な旅を
断念する事にした…
ダンサーである事に徹しよう。
ダンサーとしての自覚を強く持とう。
当たり前の事を改めて再確認し、実行する事にした。

他の仕事をキャンセルし、
リハーサル終了後は体力温存。
もしくは治療、マッサージへ。
年末年始の休み中も稽古をし、
踊る事に没頭する毎日だった。
そうまでしても、胃腸炎になったわけだが、
追い込んでいる自分を嬉しく思えた。
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大袈裟なようだが、死んでも踊り切る!
成功させる!最終日の幕が降りるまでは、
決して死なない!
とまで熱くなれ、
この公演の事だけを寝るその間際まで
考えながら過ごせた事を
幸せに思えた。

そこで得た物は、
周りのダンサー達の助け、
指導者達の助け、スタッフ達の助け、
お客さんの暖かい応援。
次第に高まる団結力。
極限状態の集中力。
自信。
存在意義。
課題と達成感。

それらは、これから先、
生きていく為の財産だった。

終わって、なお、
毎日噛み締めて生きている。

Ryuta
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